【卒業メンバーの声】
「技術を産業に活かす視点が身についた」AIエンジニアとしての大きな成長 土佐さん 開発業務担当

入社のきっかけは友人の繋がり

数学が好きだった土佐さんは、大学入学の2018年頃に注目され始めたAIに強く惹かれ、機械学習の分野で産業に貢献したいと考えるようになりました。

土佐さんがアナモルフォーシスネットワークスに出会ったのは大学2年生の頃、友人の紹介でした。友人は大学時代に起業しており、その会社の仕事を手伝っていました。
『もっとディープなことをやりたい』と相談したら、『じゃあ、こんな会社があるよ』とアナモルフォーシスネットワークスを紹介してくれました。引き合わせてもらって、代表の炭谷の話を聞き「こんな面白い会社で働きたい」と強く感じました。

機械学習を活用した先端的なプロジェクト

入社後、土佐さんが主に携わった業務はふたつ。そのひとつが、大学との共同研究で取り組んだ「結晶成長プロセスの自動化※」を目指すプロジェクトです。

「製造の現場では、装置の状態や環境に合わせて経験豊かな技術者が調整していたプロセスが数多く存在し、自動化が困難な場合があります。それを、教科学習を使って自動化する研究に参加しました。」

もうひとつは、同社が開発する画像外観検査ソフト「NuLMiL」の精度向上に関わる業務でした。
「機械学習モデルの作成において、どのようなモデルを構築すれば精度が向上するか、機械学習の手法を活用して試行錯誤しながら開発を進めました。」

※製造プロセスの自動化を実現するAI制御アルゴリズムを開発
~浮遊帯域溶融法による結晶成長プロセス自動化へ~
https://www.imass.nagoya-u.ac.jp/research/20230706_harada.html

試行錯誤の日々で培われたリアルなスキル

AIモデル開発の難しさについて、土佐さんはこう振り返ります。

「Web開発などは、コードを書けば確実に完成しますが、モデル開発は異なります。データでどこまで精度が出るか予測できないため、パラメーターを変更して、100通りくらい試します。本当に試行錯誤の連続です。 1パターンだけうまくいっても再現性がないので、もっとうまくいくようにしなければならない。
AIの学習はとても時間がかかります。プログレスバーが進んでいるのが気になって、ずっと見るのはAI系のエンジニアあるあるだと思います(笑)」

大学の授業とはまったく違い、リアルな課題解決を強く求められる環境でした。大学ではあくまで理論的なツールを学ぶに留まりますが、技術をどのように実際の産業に役立てるかが重要な課題となったのです。

「産業で技術がどう活かされるか」を学べた環境

最大の学びは、技術を実際の産業現場でどのように活かすかを深く理解できたことだといいます。


「大学では基本的に、成功することが前提で課題に取り組むことが多いんです。でも、実際の事業ではそうはいきません。プレッシャーの中で、本当に通用するのか、どう成果を出すのかを常に考えながら進める必要があります。数学やプログラミングなどの知識も、大学ではツールとして教わるだけで、それをどう社会に応用していくかまでは学びません。

アナモルフォーシスネットワークスでは、社会にどう実装するかが最終ゴール。だからこそ、技術をどう使うか、どう実現させるかという視点が必要になります。これは大学では得られなかった考え方です」

「また、現場に技術を導入するには、この精度で使えるのかという視点が欠かせません。たとえば、精度が70%のAIモデルを導入したとして、人の手間が減らなければ意味がありません。一方で、仮に70%でも、今まで1時間かけていた作業を短縮できるなら、それは現場にとって有益な導入だと考えられます。ステークホルダーがいる現場では、“誰がどう楽になるのか”という観点が導入判断の基準になります。」

代表の炭谷さん自身が深い技術理解を持つ経営者であることも大きな影響を与えました。経営と技術の両方を理解しているからこそ、技術に対して誠実でありながら、実践的な視点を常に持ち続ける環境がありました。それが、学びをより深いものにしてくれたと振り返ります。

今の活躍につながる実践的経験

現職では、企業の課題をAI技術を用いて解決策を提案するお仕事をされています。

「アナモルフォーシスネットワークスでの共同研究やモデル開発の経験は、今の仕事にとても役立っています。『産業の現場で技術をどう活用するのか』は、考えの根幹となっています」

学生時代から実務レベルでAI技術に触れ、実際の産業現場を経験した土佐さん。彼が歩んできた道のりは、AIエンジニアを志す方にとって、大いに参考になるのではないでしょうか。

開発、エンジニア

フロントエンド・バックエンドのコーディング、UI/API開発・設計を担当。あるいは外観検査ソリューションにおけるFA開発設計を担当します。