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メンバーストーリー
教師を目指した学生が“外観検査”、”AI”の最前線へ
株式会社Anamorphosis Networks
FA事業本部 部長 兼 営業部 部長 小澤行央(おざわ ゆきひろ)
数学教師を目指していた大学時代から、ベンチャー企業でのインターンをきっかけにAIベンチャー企業で初期メンバーとして携わることに。その背景には、学生時代に経験したボランティア活動や組織運営、そして社会との関わりを求めた挑戦がありました。教育の道からベンチャーへと方向転換し、現在ではAI技術を活用したソリューションを提供する企業で営業の中心メンバーとして活躍する、その決断の背景と未来。
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教師を目指した大学時代「数学の先生になりたい」という原点
将来は数学の先生になりたいと思い、立命館大学の理工学部に進学して滋賀県の琵琶湖草津キャンパス(BKC)で学んでいました。実は高校までは英語や国語のほうが得意でしたが、高校時代に出会った数学の先生との対話を通じて、苦手意識があった数学を克服しました。
「自分も誰かの学びを支える仕事がしたい」という想いを抱くようになり、「思い出に残る仕事」として教師の道を自然に志すようになったのです。
インターンが拓いた新しい視点「先生じゃなくても、人に影響を与えられる」
大学2年生のとき、小澤は人材系ベンチャー企業のインターンシップに参加しました。学生と企業をマッチングする事業を行う会社で、さまざまな業種の社会人と話すうちに、「先生じゃなくても、人の記憶に残る仕事はできるのではないか」という言葉をかけられたのです。
それまで「人の成長を支える=教師」という図式しか想像していませんでした。しかし、社会には人材育成や教育に近い機能をもつ仕組みが数多くあります。企業での研修やマネジメントもその一例。インターンを通じて「自分が本当にやりたいのは“先生になる”ことだけなのか」と考え直し始めます。
ちょうど同じころ、現在のAnamorphosis Networksを創業した代表の炭谷や取締役の佐藤に出会ったのも転機でした。小澤は「最初は正直、変わった人たちだなと思いました(笑)」と振り返ります。大学が違うのに一緒にシェアハウスをしていたり、数学の理論を統一する本の話を面白がったりと、独特の世界観が新鮮だったそうです。
初の組織トップ―ボランティア団体の会長で気づいた“リーダーの責任”
一方で小澤は、大学で参加していたボランティア団体の運営にも深く関わっていました。ライオンズクラブの学生版のような活動を行う団体で、メンバーとともにイベントや社会奉仕を企画・実施していたのです。そこでは、なりゆきながらも会長を務めることになりました。
「高校時代の部活動では副キャプテンなどをしていましたが、明確にトップに立つのは初めてでした。自分の言動が組織全体の空気や動きに直結する責任と面白さを感じましたね」
リーダーとして、自分が出したアイデアでチームが動き、結果を出す。その経験をしたことが、後のキャリア選択にも大きく影響したといいます。
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AIスタートアップへの道「奪われる側ではなく、使う側に」
卒業間近になり、インターン先の企業や就職活動で出会った企業からも誘いがあった小澤ですが、最終的に選んだのはAnamorphosis Networksでした。その理由のひとつは“AI”というキーワードでした。
「当時、“これからAIが人間の仕事を奪う”という話題が増えていました。ならば自分は、奪われる側ではなくAIを使う側にまわりたいと思ったんです。インターンをしてスタートアップやベンチャーの面白さも実感していましたし、大学時代に出会った炭谷から『一緒に会社をやらないか』と声をかけてもらったのも大きかったです」
安定を求めるなら大手企業という選択肢もありましたが、「20代のうちはどうにでもなる」と前向きに捉え、家族の理解を得てベンチャー企業の世界に飛び込みました。
やりがいと挫折。試行錯誤しながら価値を生み出す楽しさ
小澤がAnamorphosis Networksで担う主な業務は、FA(ファクトリーオートメーション)の領域でAIを活用した外観検査のシステムやサービスを提案することです。製造現場で人が目視で行っていた検査をAIに置き換えることで、省人化や作業の効率化を狙っています。
「お客さまが高い期待をもっていて、それを上回る結果を出せたときは格別のやりがいを感じます。目の前の課題を技術で解決できる瞬間が面白いんですよね」
とはいえ、日々新しい技術を試す中では失敗や行き詰まりも数えきれません。うまく成果が出ないときは、まる1日頭を悩ませて終わってしまうこともあります。
「それでも試行錯誤を重ねているうちに、あるとき成功の糸口が見つかる。その繰り返しがベンチャーらしさですし、自分が成長できるポイントだと思います」
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一緒に働きたいのは「貪欲な人」、指示待ちではなく、自分の意見で動く
成長途上のAnamorphosis Networksで、小澤が求める人物像は「貪欲に挑戦して、自ら行動できる人」です。大企業とは異なり、明確なマニュアルやレールが整備されていない分、自分次第で無限に可能性を広げられる環境です。
「指示待ちではなく、自分の意見やアイデアを積極的にぶつけられる人に入ってほしいですね。そのほうが刺激になりますし、新しい化学反応も起こりやすいです。ベンチャーの醍醐味を楽しみたい人にはぴったりだと思います」
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未来への展望「外観検査といえばアナモル」と言われる企業を目指す
会社としては、AI技術を武器に「外観検査といえばアナモル(Anamorphosis Networks)」と言われるようになることを目指しています。ゆくゆくは上場も視野に入れ、世界へ事業を拡大していきたいという壮大なビジョンを持っています。
個人としても、将来的には「投資家のような立場で、面白い技術を広めることに関わりたい」と考えています。
「技術は優れていても、正しく価値が伝わらなければ社会に普及しないんです。営業やマーケティングを含めた総合的なアプローチで、世の中に拡散していくことが重要だと思います。ゼロからイチを作るより、イチをサンやゴに広げていくことが得意だと自負しているので、そういう形で社会に貢献したいですね」
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オフはサッカー&バスケ観戦「チームワーク」に共感
最近の趣味は、スポーツ観戦。学生時代からサッカーをしていましたが、スタジアムで観戦するようになったのはここ1~2年だといいます。
「きっかけは、会社に詳しい人がいて一緒に観に行ったことなんです。実際に足を運ぶと大迫力で、すっかりハマりました。バスケットボールも見るようになりましたね。やっぱりチームが一体となって勝利を目指す姿に惹かれますし、その構図は仕事にも通じるところがあると思います」
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“思い出に残る仕事”は学校だけのものではない。挑戦を恐れず、一歩踏み出そう
そもそもの出発点は「数学教師になりたい」という純粋な想いでした。しかし、インターンやボランティア団体の会長経験などを通じて広い視野を持つようになり、最終的にはベンチャー企業の世界でAIを使う側の道を選びました。
「結局、“人に良い影響を与えたい”という根っこの部分は何も変わっていないんです。教師という道も素晴らしいですが、社会にはさまざまな形で成長や支援に関わる方法があります。自分に合ったやり方で、思い出に残るような仕事を作っていきたいと思ったんですよね」
「将来はこうなりたい」という夢があっても、そこに至るまでの道のりは一つではありません。自分で可能性を探し、自分で決断して行動すれば、より大きなチャンスが見えてくることも多いはずです。
AIをはじめとするテクノロジーがさらに進化していくこれからの時代、「奪われる側ではなく、使う側」に回る選択をしてみたいと思ったら、Anamorphosis Networksや小澤のもとを訪ねてみてください。自ら動いて挑戦する姿勢こそが、きっと“思い出に残る仕事”を形にしていく鍵になるはずです。